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絵は、幼い瑛士にとって、自分の心の中を描く表現手段でした。この10作品は、一冊目の本「黒板に描けなかった夢〜12歳、学校からはみ出した少年がかの内なる世界〜」ブックマン社刊、に収録されています。

コトンコトン…
						さなだ鳥は像のような巨体にそぐわぬ小さなまあるい足で、一歩一歩少しづつ荒野を進みます。歩みのノロさに耐え切れなくなった一匹のさなだ鳥が、とうとう崖からダイブしました!!それにより他のさなだ鳥たちも釣られるように一斉にダイブしました。
						するとどうでしょう!さなだ鳥の体から羽が生え、彼らは大空へと飛び立ちました。
						flying elephant『さなだ鳥』の真の姿です。

ぽっかりぽっかりと丸い雲が浮かぶ穏やかな空を、ファルたちはカラフルな飛行機で空の旅。
						失速寸前の奇跡的な遅いスピードで飛んで行きます。
						ファルたちの世界では飛行機は必ずしも速く飛ぶものではないようです。

ここは近未来のどっちゃんの都市です。
						見てください!
						この丸々と太った立派などっちゃんの銅像を!!
						この街のシンボル“自由のどっちゃん像”です。
						この銅像の前では、なぜか子どもが食べているお菓子が無くなるという怪事件が相次いでいます。
						そして事件があった日は、どっちゃん像の口の横にお菓子のカスが付いているそうです、、、。

ここはファル達、御用達のBARです。
						ファル達はここで疲れを癒し、ダメな上司バナファルの文句を言います。
						クダを巻く者、食事を楽しむ者、良い雰囲気になっているカップル、
						ああ、飲み屋とは、まるで万人の人生の縮図‼
						、、、おや下の会では大捕り物がはじまっています。
						どうやらネズミの方が一枚上手のようです。
						BAR,Kからは今日も数多の物語が生まれてゆきます。

ファル…奇妙な黄色い鳥のような生き物。
						果たして彼らはいずこからやってくるのでしょう?
						私はそれが気になって夜も眠れぬ毎日を過ごしていました。そんなある日、一匹の半透明のファルが現れました。
						見失なわぬよう そのファルの足跡を辿り、ついて行った先には、なんと黄色い泉があったのです。そしてそこからは次から次へとファルたちが溢れるように生まれ出ているのでした。
						私は写真を撮りましたが帰り道、何故か そのカメラは爆発してしまいました。
						一命を取りとめた私は仕方なく、瞼の裏に残っていた“ファルの生まれし泉”を絵に書き残した次第です。
p.s 因みにトレビの泉とはなんの関係も御座いません。

月が一段と綺麗な夜です。
						一斉に大きな、さなだ鳥の群れが飛び立ちました。
						彼らはどこに向かうのでしょう?
						さなだ鳥は大きな体を維持するため、南下を始めたのです。
						大陸を横切る“さな旅”です。
						どっちゃんはそれを廃墟の塔の上から眺めていました。
						“2015年お月見画像コンクール”に応募するための写真を撮りにきていたのです。
						幻想的で雄大な光景を見て思わずシャッターを切りました。
						電池切れでカメラは動きませんが、これはシャッターではなく自分の瞼に焼き付けておくほうが良いと、どっちゃんは気付きました。
						どっちゃんは時を忘れ、その光景を眺めていました。
						そうしてその光景はいつまでも、どっちゃんの胸の中にあり続け、いつだって取り出して大切に眺めることができるのです。
後日、慌てて撮った家の汚い冷蔵庫の中の写真(割れた卵を月に例えた)は、お月見映像コンクールの1,089,401位に入賞しました。よかったね、どっちゃん!?

人里離れた山深〜い森の中、
						モアイ像たちがコッソリ集まる温泉がありました。
						モアイたちの大人気スポット“モアイの湯”です。
						昼間、沢山の人目に晒され疲れ切ったモアイたちがわらわらと、どこからともなく集まってきます。
						モアイ像たちは一様に白いタオルを頭に乗せています。
						耳をすますとモアイたちの会話が聞こえてきます。
「いやぁ〜今日もハードだったなぁ」
						「おう、観光客がひっきりなしで気が抜けなかったぜ。」
						「俺なんか鼻の頭に蝶々がとまって、くすぐっていのなんのって、、、」
						「それより、おまえさん肩がガチガチじゃねえか‼」
						「あんたにゃ言われたくないよ‼」
						「じゃあ、今日は特別おいらが背中流してやるよ、、、」
						「この極楽の時間があるから明日も頑張れるってんだ〜。」
しっかり温まり、こりをほぐしたモアイたちの質感は、まるで蒟蒻のようだったと目撃者は語ります。
						そして英気を養ったモアイたちは足取り軽く、自分たちの持ち場に帰って行くのでありました。

ある日エジプト、王家の谷でファル達の歓喜の声が上がりました。
						ファル1:「やった‼ついに掘り当てたぞ‼」
						ファル2:「財宝がたくさんある‼ワーイ‼ウホホホーイ‼ホキャン‼」
						ファル3:「あんたゴリラか?」
						ファル1:「そういえば古代エジプトの壁画に書かれてる人の目って怖くない?」
						ファル2:「確かに、みんなこっちを見てるような、、、」
						ファル3:「お前見てるんじゃね。」
						ファル1:「いやお前を見てんだよ‼」
						ファル2:「そういえば前テレビで見たことがあるぞ‼ツタンカーメンの呪い、、、」
						ファル3:「わし、おうちかえっていいかな?、、、」

夏休み最後の日、ひと気のない山奥にて、どっちゃんは恐ろしい光景を目にしました。
						黒装束に身を包み、中世の処刑人のようなお面を付けている者もいます。
						恐ろしいながらも興味を抑えられずそっと近づいていくどっちゃん。
						そして目を凝らし火を見ると、燃えているのは夏休みに終わらなかったファルたちのドリルだったのでした。(気持ちは解るけど、焚書はダメ‼︎絶対‼︎だって知識を燃やすなんて一番愚かでしょ!)
						

空中都市です。まだ建設途中。